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部分やせはできるのか!?

Kaname
Kaname

女性の方によく質問されるので、取り上げてみました!

 部分やせというのは、お腹や二の腕、太ももなど対象の部位だけを細くするという意味になりますが、結論からいいますと、トレーニング未経験や初心者であるほど、部分やせはほぼ不可能です。
 
 なぜ不可能なのか、トレーニング熟練者では可能なのか解説していきます。

 まず、対象部位を細くする方法は下記の3通りです。疑問があると思いますが、それぞれ説明します。
 ・特定部位の脂肪だけを落とす
 ・特定部位の筋肉を太くする
 ・特定部位以外の筋肉を太くする

<特定部位の脂肪だけ落とす>

 特定の脂肪だけを燃焼させるのは生理学的に不可能です。ただ、全身の脂肪が燃焼する中で、特定の部位の燃焼効果を強めることは理論的に不可能ではありません。

 別記事の脂肪燃焼メカニズムで示している通り、脂肪分解の起点は、運動や空腹などにより分泌される脂肪分解を促すホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリンなど)です。これらのホルモンは血管を通って全身を循環し、脂肪を分解していきます。つまり、特定部位の脂肪だけを落とすということは、これらのホルモンを燃焼させたい部位に多く呼ばなければなりません。

 前述した通り、ホルモンは血流で動きますので、対象の部位に多くの血液を流すことでホルモンが脂肪細胞と結びつく確率が上がります。血流量が体内で最も多い臓器「心臓」にはほとんど脂肪がありません。血流を上げることが脂肪燃焼に効果があるのです。

 特定部位の血流量を多くする最も効果的な方法は、レジスタンストレーニング(筋トレ)です。特定の筋肉に負荷をかけるトレーニングを継続することで毛細血管も増えさらに血流量を多くすることができます。血流量が多くなれば、脂肪分解も活性化します。この状態で有酸素運動を行うと、分解された脂肪酸が有酸素によってエネルギー化(燃焼)を促進します。つまり、特定部位を筋トレし、その後ジョギングなどの有酸素運動を行うことで、特定部位の脂肪燃焼効果を高めることができます。

 ただし、女性は、男性と比べてテストステロンなどのホルモンの関係で筋肉がつきにくいため、筋肉へ多くの血液を流すことが難しくなります。さらに対象の筋肉のみに刺激を入れパンプさせることは、ある程度のトレーニング方法を熟知していないといけません。
 
 よって、トレーニング熟練者である程度の筋肉量があれば、特定部位の脂肪を優先的に落とせる可能性があります。

<特定部位の筋肉を太くする>

 細くしたいのになぜ太くするのかと疑問がある方もいるかもしれません。例えば、二の腕の筋肉を太くすることにより、皮膚のたるみの解消とメリハリのある立体感で引き締まったように見えます。これはヒトが腕の周囲何センチなどの絶対値で見ているのではなく、目と脳が協力して相対的に判断しているからです。いわゆる「目の錯覚」という心理現象を利用しています。

 しかしながら、男性では女性と比べて筋肉の成長が著しいため、長期間のトレーニングによりどう見ても太くなってしまいます。女性は相対的に太くなりませんので気にしなくて大丈夫です。

 よって、筋肉を太くする最も効果的な方法であるウェイトトレーニングを対象部位に実施することで、女性のみ細くできます。これもある程度のトレーニングの経験が必要です。

<特定部位以外の筋肉を太くする>

 これは、ボディコンテストのトップで活躍するような上級者レベルのお話しになりますが、例えば、ウエストを細くしたい場合、背中の筋肉(広背筋や大円筋など)やお尻の筋肉(大殿筋や中殿筋など)をトレーニングで大きくすることで、相対的にウエストが細く見えます。実際に筋肉を目に見えて大きくしなければいけませんので、女性では、数年~数十年のトレーニングの積み重ねが必要になってきます。

<まとめ>

 上記の通り、部分痩せが如何に難しい条件であるかご理解いただけたと思います。運動経験のあまりない方は、まずはパーソナル指導などでトレーニングの方法を覚えることから始めてみてはいかがでしょうか。安易に「部分痩せできます!」と謳う指導者にはご注意を。

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