03_食事0304_栄養学

魚は生食が良い理由とは

Kaname
Kaname

最近、メインの食事を焼き魚からお刺身に切り替えると、すごく体重の落ちが良いんだ!マグロ、カツオ、サモーン~♪

ガチャ男
ガチャ男

ほぉ~、気のせいではないか?

サモーンてなんじゃ。

Kaname
Kaname

いや、これには理由があると思うんだ。調べてみよう。

魚を食べるメリット

 一般的に魚を食することはカラダに良い、健康に良いというイメージがあります。その根拠として、魚に含まれる良質な脂(オメガ3脂肪酸)が動脈硬化を予防したり中性脂肪を減少させる効果にあります。

オメガ3脂肪酸の働きと効果

 オメガ3脂肪酸が世界的に脚光を浴びたきっかけ、それは、50年ほど前にデンマークで行われた大規模な疫学調査です。なんと、北極圏に住む先住民族のイヌイットは、一般的なデンマーク人に比べて、動脈硬化が原因となって起きる心筋梗塞による死亡率が有意に低かったのです。調査の結果、彼らが一般的なデンマーク人よりもオメガ3脂肪酸を極めて多く摂取していることが明らかになりました。イヌイットの1日あたりのオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)の摂取量は13.4gにも達するといいます。現在、日本の厚生労働省が推奨する目標値が1日あたり1gですから、私たち日本人の実に10倍以上!

 ではイヌイットの人たちは一体何を食べていたのか?アザラシやクジラ、シロイルカなどの脂身。さらに、脂がたっぷり乗ったシロクマの肉、いずれも、オメガ3脂肪酸が極めて豊富に含まれています。

 オメガ3脂肪酸の摂取は体にどのような働きをもたらすのか?オメガ3脂肪酸は小腸から吸収されると全身の細胞すべての細胞膜を構成する大切な材料になります。飽和脂肪酸から構成される固い細胞膜とは異なり、オメガ3は柔軟に変形できる細胞膜を作ることができます。これにより血管の隅々まで血液が届くようになり血液循環が改善し、動脈硬化予防や代謝アップ、脂肪燃焼促進など様々な良い効果をもたらします。

良質なオメガ3脂肪酸の摂り方

オメガ3脂肪酸を効率良く摂取するには

 オメガ3脂肪酸は、固形のたんぱく質と一緒に摂ると、胆汁が分泌され、より効率的に吸収されることがわかっています。そのため、魚介類の食材から摂った方がサプリメントよりも吸収効率が良いことになります。

 それでは何の魚が良いのか?焼いたり揚げたり煮たりしても良いのか?

【オメガ3脂肪酸の多い代表的な魚】

  • イワシ
  • サンマ
  • サバ
  • カツオなど

【オメガ3脂肪酸を効率良く摂取する調理方法】

 調理法によってはオメガ3脂肪酸が失われることがあります。調理方法の違いによって、サンマに残存するDHAやEPAを調べた研究を簡単にご紹介します。

 グリル焼き、フライパン焼き(油なし)、揚げの3つの方法でサンマに残存するDHA、EPAの含有量を調べた結果、グリル焼きでは90%、フライパン焼きでは80%、揚げでは50%程度となりました。それぞれの調理方法におけるDHAとEPAの損失の大きな原因は、グリル焼きとフライパン焼きでは肉質から溶け出た脂肪による調理損失によるものであり、揚げでは揚げあぶらへの移行、油脂の交換による物理的損失によるものでした。

 以上の結果により、オメガ3脂肪酸を十分享受したければ、揚げ調理は避け、調理せずに生食で摂ることが最もロスを防ぐことになります。

どの程度とれば良いの?

 まずは私(トレーナー)の最近の食事でどのぐらいオメガ3脂肪酸を摂取しているかご紹介♪

  • マグロ、カツオ、サーモンなどの刺身を1日合計450~600g程度(オメガ3脂肪酸の含有量5g程度に相当)
  • オメガ3のサプリメント摂取が1日合計1.5g(DHA+EPA)

 合計で1日あたり6.5g程度のオメガ3脂肪酸を摂取しています。この量に変えてから体調も減量スピードもぐんと上がりました。(但しこれは私の場合ですので、参考情報としてください)

 厚生労働省から発表されている1日あたりのオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸を含む)の摂取目安は1.5g~2g程度です。(こちらのブログに詳しく記載しています)

 最低限この量は確保できると良いですね♪

オメガ3脂肪酸の落とし穴(酸化)

 オメガ3脂肪酸の体へのメリットが理解できたところで、注意しなければならないのがオメガ3脂肪酸は常温~高温では非常に速く酸化されやすいということです。酸化されると毒性の強い過酸化脂質になります。大部分は消化管で分解されて毒性が弱められますが、数%は体内に吸収され細胞の機能異常を引き起こすことがわかっています。それが動脈硬化や認知症につながると考えられています。(過酸化脂質の体への影響はこちらの記事に載せています)

 そのためオメガ3脂肪酸を摂取するには鮮度が重要になってきます。加熱することでも酸化が早まるため、なるべく鮮度の高い生で摂るほうが賢明です。特に魚の干物は、大部分が酸化されているため気をつけたほうが良いです。

低糖質食と低脂質食では?

 低糖質食の場合は、先に挙げたイワシやサンマ、サバなどの脂の多い魚を摂ると良いでしょう。

 低脂質食の場合は、脂質を抑えつつ良質な脂を摂る必要があるため、マグロやカツオ、サーモンなど比較的カロリーの低い魚を摂りながらオメガ3サプリメント摂取で補助してあげてDHA、EPAの摂取比率を高めると良いです(というのは、魚に含まれる脂はオメガ3脂肪酸だけでなくデメリットの多い飽和脂肪酸なども多く含まれているからです)(飽和脂肪酸のデメリットはこちらの記事参照)。また、サプリメントは単体ではなく食事と一緒に摂る方が吸収効率が良いことも覚えておきましょう。

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