02_ボディメイク0201_トレーニング理論

トレーニング理論 ~最適なセットとレップの組み方~

Kaname
Kaname

レップっていうのは反復回数のことだよ~♪

 トレーニングにおいて、何を目的とするかでセットやレップの組み方が変わってきます。
今回は以下の3点を目的として、それぞれの適切なセット数とレップ数を考えます。

・筋肥大
・筋力向上
・ダイエット

<筋肥大>目的

 筋肥大とは、文字通り筋肉の体積を大きくすることで、あらゆる競技の中でボディービルダーが最もこれに尽力しています。(筋肥大にも筋力向上の要素を組み合わせるべきではありますが、それはまた別の記事で掲載します。)

セット数

 それでは、筋肥大を目的に適切なセット数から考えていきます。

 1970年代の研究で1セットで対象の筋肉を限界まで追い込むことができれば、それ以上のセットをする意味はないと多数の実験で報告されています。

 ただ、「筋肉の限界」というのはそう簡単でありません。筋肉とは神経とそれが支配する筋繊維の集合です。神経は1回ですべての筋繊維に命令を出せるわけではなく、元気な筋繊維から順番に使われていきます。筋肉の限界とは、対象部位のすべての筋繊維が疲労し1本も動かすことができない状態を指します。このようにすべての筋繊維に刺激が入らなければ筋肥大に効率的とはいえません。

 これを筋肉の生理的な限界とした場合、通常はその1歩手前で心理的な限界があります。ヒトは本能的に怪我しないために心理的なストッパーがあり、すべての力を出せないよう仕組まれています。ただ、ヒトにも心理的限界を超えた火事場の馬鹿力というものが存在し、ドリアン・イエーツの格言「君のこめかみに拳銃をつきつけて、あと2回やれ、といわれたらどうする?」を毎回実践できる方は各部位1セットで十分といえます。

 通常は1セットだけで限界に達するのは難しいため、限界まで追い込む意識で2~3セット行えば、すべての筋繊維へ刺激を与えることが可能になるでしょう。

レップ数

 低レップ群、高レップ群を比較した数多くの研究結果があり、基本的には8~12レップが筋肥大効果が高いようです。ただ、3~5レップでも同じ仕事量(セット数xレップ数)を行うことにより同等の筋肥大効果が認められました。

 また、筋肉の種類によっても筋肥大に効果的なレップ数が異なります。上腕二頭筋のような紡錘状筋は8~12レップよりも25~35レップ群のほうが筋肥大効果がありました。逆に上腕三頭筋のような強いパワーを発揮できる羽状筋は8~12レップ群のほうが筋肥大効果がありました。よって、筋肉の種類によってレップ数を見極める必要があります。

<筋力向上>目的

 筋力とは筋肉が発揮できる能力のことで、1回で持ち上げられる最大重量で筋力を計ることができます。これを競技としているものがパワーリフティングです。単純な力の強さだけでなく技術力も大きく影響します。

セット数

 筋肥大と異なり、筋繊維の疲労よりも神経伝達やフォームの改善が筋力向上に有効です。フォームは技術的な側面が強く訓練を必要としますので、セット数を多く設定します。例えば代表的の方法として「5×5」セット法です。5レップを5セット実施する方法で、最終セットで限界を迎えるように重量を設定します。

レップ数

 低レップ群と高レップ群を比較した数多くの研究結果では、筋力向上が最も認められたのは低レップ(3~5回)になります。また、TUTも関係し、爆発的挙上が最も筋繊維の動員数が多く筋力向上に効果があります。(TUTについては別記事で解説)

<ダイエット>目的

 体重、体脂肪を減らすことを優先し、トレーニング未経験者または初心者であることを前提とします。トレーニングで注目するのは基礎代謝の向上と正しいトレーニングフォームの獲得です。

セット数

 10種目をそれぞれ1セット行った群と3セット行った群を比較した実験では効果に違いはでませんでした。もちろん、トレーニングの際のカロリー消費は後者が大きいですが、3日後の安静時基礎代謝の上昇率は変わりませんでした。筋刺激による基礎代謝を上げることが体脂肪の燃焼に大きく影響するため、週2回全身の部位を1セットずつ実施で効率の良いダイエットにつながります。

 ただし、正しいフォームでなければ対象部位の筋肉へ刺激が入りませんので、フォームが獲得できるまでは2~3セット実施した方が良いでしょう。

レップ数 

 筋肥大を目的としたレップ数と同じで問題ありません。8~12レップを基本とします。高重量低レップに挑戦するのは正しいフォームを獲得してからにしましょう。

タイトルとURLをコピーしました