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女性ホルモンの働きと心と体のケアⅢ(閉経)

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 女性が閉経を迎えると、月経がなくなるだけではなく、毎月のホルモンの揺らぎからも解放されます。これは多くの人々にとって朗報だと思います。出産できる時期は終わりますが、更年期は人生の新たな時間が始まるときでもあります。

閉経におけるホルモンの働き

 「閉経」とは月経が完全に停止すること、「更年期」とは閉経前後の合計10年くらいを意味します。閉経は排卵が終わってこれ以上子どもを持つ可能性がなくなったしるしであり、女性の新たな人生の幕開けでもあります。更年期は男性にもありますが、女性ほど急激なホルモンの変化は起こりません。

 閉経は完全な自然現象ですが、ホルモンが大きく変化するため、人によって重い症状が出ることもあります。

更年期障害

 更年期の女性の80%程度は、何らかの症状に悩まされている推定されます。そのうち、40%前後の女性が経験するのがホットフラッシュで、寝汗と並ぶ更年期障害の代表的症状として知られています。更年期障害は、通常は閉経から4年程度で終わりますが、10%前後はさらに症状が長引き、10年以上にわたって苦しむこともあります。

 更年期障害の症状の多くは、エストロゲンの減少が原因だが、現時点でそのメカニズムはよく分かっていません。さまざまな症状が出る理由としては、体内のあらゆる細胞がエストロゲンに対する感受性を持っているため、ホルモン量が急速に減少すると広い範囲に影響がでるのではないかと考えられています。

更年期障害の治療法

 1960年代に経口避妊薬が登場し、女性解放運動が始まると、ようやく更年期にも広く注目が集まるようになりました。更年期特有の不調に直面した女性たちが、黙って苦しむ必要はなくなりました。現在では、更年期の症状を和らげる治療法としてホルモン補充療法が1つの選択肢となっています。しかし、食生活や生活習慣の改善も、更年期障害の症状の緩和に有効です。

ホルモン補充療法(HRT)

  ほとんどの女性にとって、短期間のホルモン補充療法はリスクよりもメリットのほうが大きいです。ただし、長期(3年以上)にわたって実施すると、乳がんや血栓症、脳卒中のリスクがわずかに高まります。

 この療法で使われる薬のほとんどに、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの両方が配合されていますが、子宮や卵巣を摘出している女性にはエストロゲンのみの薬が投与されます。これらのホルモンを体に補うことで、更年期障害の症状を軽減します。皮膚に張るパッチや塗り薬もあります。

食事と運動と睡眠

 前章の記述と同様に、果物、野菜、大豆製品、魚などを基本としたバランスの良い食事が推奨されます。エストロゲンの不足に伴い骨粗しょう症が起こりやすくなりますので、ビタミンDが多く含まれるカツオやシラスなどの魚介類はおすすめです。また前章でご紹介したフィトエストロゲンを含む食材も更年期障害の症状を軽減できる可能性があります。

 そして、日々の適度な運動で女性ホルモンの健康的なバランスを維持します。運動すると、情緒を安定させて、快眠を促すホルモンのエンドルフィンとセロトニンが分泌されます。また、運動には体重増加を防ぎ、心臓を健康に保つ効果もあります。筋トレのような体に負荷のかかる運動は、骨の成長を刺激し骨を丈夫に保つため、骨粗しょう症を予防できます。

ハーブ療法

 セイヨウニンジンボク、ブラックコホシュ、セージ、アカツメクサ、朝鮮人参などのハーブは、どれもホットフラッシュや情緒不安定などの更年期障害の症状を軽減する治療薬として使えることが証明されています。中には有効性を示す証拠があいまいなハーブもあり、また効果には個人差がありますが、天然の治療薬を求める声は高まり続けています。

サプリ

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 ホットフラッシュが起こる生理的なメカニズムは解明されていませんが、アルコール類やコーヒーなどの刺激物が症状を悪化させるというエビデンスもあります。

 近年では、プリムローズオイル(月見草油)がホットフラッシュや情緒不安定、PMSなどの症状を軽くするとして注目されています。

参考文献「ホルモンのはたらきパーフェクトガイド」

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